09.11
Thursday
2008

今回は新作紹介と製作日誌を一緒に記載したいと思います。8月当初から久しぶりに日本の風景を製作したいと思ってVueをいじっていました。最初は棚田の風景画を製作していたのですが、いろいろと課題があって最初から製作しなおすことにしました。同じような作品に何度も挑戦する気持ちになれなかったこともあって、次に着手したのがこの作品でした。当初思い描いていた風景とは異なるのですが、水面に紅葉を散らして秋の気配が感じられる作品としてみました。この作品では、(1)スペクトラル大気での空気遠近法の表現方法(2)全体のバランスを考えたレンダリング速度の向上など新しいことを試してみました。今回はまずレンダリング速度の向上について、記載したいと思います。


「秋の気配」


「秋の気配」900×1200でレンダリング(搭の部分UP)

(1)レンダリング速度の向上と設定の見直し
どのような作業が楽しいかは人それぞれだと思うのですが、私は3Dオブジェクトを配置する作業は気乗りがせず、ライティングを設定し終わって、全体の雰囲気が決まってくると気持ちが乗ってきます。Vueのレンダリング画質プレビューでは細部が判りにくいので、仕上げ近くなると最終レンダリングを繰り返すことが多いのですが、作品によってはカメラ表示でも1時間以上もかかることもあって、作業が進まなくて流石に辛いなと感じるようになりました。そこで「ぼくんちのTV」というサイトに記載されていた情報を基に設定を見直してみることにしました。

見直した箇所は、以下の通りです。なお、大気はスペクトラル大気を使用し、最初に記載したように空気遠近法を検討したいと考えていましたので、照明モデルはGIを採用し、環境光の影響を高めに設定しています。


(1)大気>光源>照明モデル>品質ブーストの値を-2に変更


(2)大気>天空、霧ともや>一般設定>品質ブーストを-1に変更


(3)大気>雲>ボシュメリック質感の雲:照明と効果>照明>影を落とすのチェックをOFF

上記のサイトでは(2)の設定を最低まで下げていたのですが、そこまでの勇気はありませんでした。この設定でもカメラ表示画面においてレンダリング画質標準でレンダリングすると、5分程度でレンダリングが終了します。ノイズが多く発生するのですが、細部を確認するには十分だろうと思っています。なお、(3)の設定は地表にあるオブジェクトに影をおとす場合やゴッドレイを使用する場合はONにしておく必要があります。


(レンダリング画質標準:縮小なし:レンダリング時間5分42秒)

今までは時間との兼ね合いで照明モデルAOを使用し、レンダリング画質最終レンダリングでレンダして作品を仕上げることがを行うことが多かったのですが、今回は上記の設定でレンダリング画質ウルトラを使用して900×1200の大きさで最終レンダを行いました。スペクトラル大気では水面など透明部分に時間がかかることが多かったのですが、最も時間がかかったのが搭や背景の山などの遠景部分でした。それでも6時間程度(寝ている間)でレンダリングは終了していましたので、個人的には許容範囲だと考えています。上記のサイトに記載されていたように、空の品質だけを高くするのではなく、全体のバランスを考えるというは正解なのかもしれません。

(2)コメント
いきなりレンダリング設定の紹介をしたのですが、次回は細部のマテリアルの設定などを記載する予定です。設定の見直しで作業効率が上がったことよりも、ストレスを感じなくなったことのようが有難いと感じています。暑かった夏も終わり、秋の気配が感じられるようになってきました。今年も紅葉シーンを製作したいと考えているのですが、最近レタッチ作品を制作していないので、禁断症状が出始めています。次回作はレタッチ作品になるかもしれません。

この夏、夜の水族館に出かけてきました。夜中に遊びに出かけるというのはなんとなくワクワクします。水族館も楽しかったのですが、丁度雨上がりで水族館から遠くの夜の海に向かって落ちる稲光が綺麗に見えたのが印象に残っています。Forum3Dのお題でレンダのテーマは嵐。その時の風景を製作できればなと考えていたのですが、今週の週末は出かける予定なので、今回もパスとなりそうです。


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