03.20
Thursday
2014

和風展投稿作品2作品目の紹介です。こちらはPoserのスケッチレンダーを用いて制作した作品です。風景画では3Dレンダリング画像をGIMPの輪郭抽出を使って作品を制作したことがあるのですが、人物では線に勢いが必要でこの方法では仕上がりが今ひとつだと感じていました。このため、和風展では人物フィギュアを描画するPoserのスケッチレンダーを使用してみようと思い立ちました。以前、和風展で他のユーザーの方がスケッチレンダーを使った作品を投稿されているのを見てから、私も一度は制作してみたいと思っていました。


「柳生十兵衛」

作品を制作する前にまず既存のモデルでライティングとスケッチレンダーの設定を行いました。採用したスケッチレンダーのエッジとオブジェクトの設定は以下の通りです。エッジは輪郭を描くのに最適なのですが、まつげなど透過部分も縁取られます。このため、エッジのあるなし2枚の画像を用いて目の周りなどポストワークで修正することにしました。シェイダーはTexture Shadedを選択しました。ちなみに、スケッチレンダーはシェイダーに依存します。例えば、Cartoonのシェイダーを用いるとより漫画っぽい画像が得られま す。

line
スケッチレンダー(エッジ)の設定

object
スケッチレンダー(オブジェクト)の設定

次にモノトーンの画像を得るために最適なライティング を検討しました。このような画像を得る場合にはかなり強いライティングが必要で今回はIBL×2(影なし)、無限光源×2(影なし)を使用しました。通常のレンダリングではIBLではほとんど影ができないのですが、スケッチレンダーはシェイダーに依存するので、IBLでも完全に影をなくすのは難しいです。正面下方からの無限光源で全体の影を消し、上方からの無限光源で肩口の影を消ます。残りのIBLライトはオブジェクトの左右に1つずつ配置し、影を残したいほうの明るさを落とす、もしくはわずかに位置を変えて影をつくるのがコツだと考えています。


ライティングの検討

このオブジェクトは首筋から耳のあたりにヘアをもちいているのですが、これによって筆でかすれたような表現ができるということも判りました。このため、柳生十兵衛のモデルも髪の一部にヘアを適用することとしました。実際の柳生十兵衛に用いたライトも併せて掲載しておきます。


柳生十部兵衛のライティング

クリアしないといけない課題が多いと思ったので、モデルは以前和風展に投稿した柳生十兵衛のフィギュアを使用することとし、ポージングとDCの検討を行いました。ポーズはアクションポーズ集(侍・忍者)を参考にしました。この本には侍や忍者だけでなく、柳生十兵衛や宮本武蔵のポーズも掲載されています。柳生十兵衛は一言で言うとワイルドな感じで型にはまらない独特なポーズが多いです。宮本武蔵は二刀流なのですが、一本の刀を使用する時は剣道の基本に忠実な構えをしています。

最大の課題はDCでした。スケッチレンダーを使用する時には衣服にある程度皺がよっていないと違和感のある絵柄になってしまいます。出来るだけ現実に近い形状にしたかったので、胸元がひらくようにDCと衝突干渉するボールをいれることにしました。また、皺を寄せるために腕を後ろに引くこととしました。DCで綺麗な皺をつくれたという記憶がほとんどないのですが、今回は結構上手くできたように思います。DCは引っ張り皺なら比較的綺麗にできるのかもしれないなと思いました。ボールはDCの計算が終了した後、削除しています。そのほかにも白黒の比率を考慮して羽織りに模様を施すなどの工夫をしています。


60フレーム


80フレーム

最終的にレンダリングした画像は以下の2枚です。先に述べたように、エッジのあるなし2枚の画像を用いて目の周りなど不要な部分はポストワークで修正しました。また右袖の部分についてはポスワークで皺を追加しました。背景に何か置こうと試みたのですが、いいものが思い浮かばず、結局はあっさりと仕上げることにしました。

スケッチ設定:オブジェクトのみ Texture Shaded


スケッチ設定:オブジェクト+エッジ Texture Shaded

今日のつぶやき
この作品ではDC(衣服)、ヘア(頭髪)、テクスチャの変更(羽織)、ライティング、スケッチシェーダーなどPoserの機能をほぼ網羅しています。衣装がDCの場合は、その出来で作品の善し悪しが決まってしまうこともあり、このような作品を制作する場合には、ある程度Poserが使えることが前提となります。Poserは使い勝手のよい機能ばかりではないのですが、うまくはまると面白い作品ができるなと思いました。そんな潜在力がPoserの魅力なのかもしれません。

和風展は力作が数多く投稿されることもあって、私は背伸び、もしくはジャンプしないと制作できないなと思う作品を投稿するようにしています。失敗すると奈落の底まで落ちてあたふたことも多いのですが、今年は二つの作品ともうまく仕上げることができました。なお、和風展はいつもよりコメント投稿の期間が短く、本日23時59分でコメント投稿を締め切って終了となります。


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