06.30
Tuesday
2009

以前紹介した夜の製作方法をもとに、月夜を製作してみたと思います。月夜では月の周囲が明るくなります。しかし、Vueで月を配置しただけではこれが表現されないので、太陽光もしくはライトのレンズフレアを使用して、月が輝く様子を表現してみたいと思います。スペクトラル大気のクラシック・デーを夜空に変更し、月夜を製作するまでを紹介したいと思います。大気設定で何もオブジェクトを置かないと地面に落ちる色が予想外になることがあるので、今回は「ホワイト」の質感を設定した白い球体を配置することとします。


「クラシック・デー初期設定」

(1)夜の大気への変更
まず、大気エディタの「天空、霧ともや」のタブを開きます。天空色→色の編集で色の選択画面を開き、明度を20程度に変更します。同様に減衰色に薄い紫(今回は色相194、明度116、彩度114としました)を指定します。減衰の高度が高すぎるので、この高度を1km程度まで下げます。


「大気エディタ:天空、霧ともや」

次に大気エディタ「光源」のタブを開きます。天空半球の全体色→色の編集で色の選択画面を開き、明度を20程度、グローバル照明調整の中の露出を-0.5に設定します。これでほぼ、夜の大気設定ができました。紫ががっているのが気になる場合は減衰色を青色のほうにシフトさせてみて下さい。


「大気エディタ:光源」


「夜の大気レンダリング画像」

次に惑星を配置します。月をぼんやりと輝かせるためにレンズフレアを使用します。太陽光が一番使い勝手がよいのですが、地面に置いたオブジェクトの明るさが変わってしまうので、今回はスポットライトを使用することにしたいと思います。まず、太陽光を惑星のそばに持ってきます。月夜では、主光源(メインライト)が月になりますので、光源の方向を合わせることが目的です。太陽光を不可視とするために大気設定→太陽のタブを開き太陽の大きさとコロナのサイズを0%に変更します。もし、太陽光を使って月をぼんやりと輝かせる場合には、太陽の大きさのみを0%として、コロナの大きさとレンズフレアを調整してください。


「スポットライトの配置」


「大気エディタ:太陽」

スポットライトを惑星の背後において、明るさとレンズフレアを調整します。サンプル画像ではスポットライトはカラーを(色相:明度:彩度)=(152:181:15)、柔らかさ:0、角度:40、減衰:20、強度:50としました。レンズフレアの設定は以下の通りです。最後に惑星の明るさを調節してやれば完成です。サンプル画像では地面に光が落ちないように影響の設定なし、影もなしに設定しました。ちなみに、影響の設定を行う場合にはLightTuneのモジュールが必要です。


「レンズフレアの設定」


「サンプル画像」

今週のつぶやき
e-onのサイトでVue 3D Environment Competition 2009の応募が始まりました。e-onが毎年開催しているVue最大のコンテストで、Vueのバージョンは問わないので、フリーのVue 7 Pioneerでも参加することが可能です。ただ、Vueで製作した風景が主題であり、レタッチはできないので植生がほとんど付属していないVue 7 Pioneerでは結構つらいものがあるかもしれません。応募期限は7月20日まで、詳細はリンク先で確認してください。これまで発表した作品を出展することはできないので、とりあえず製作を始めました。昨年もいくつかコンテストに出展しているのですが、期限に間に合わなかったこともあって取り合えず期限までに完成させることが課題かなと思っています。思い描いているシーンが結構難しくてクリアしないといけない課題が多いのですが、期限までに完成して出展できればよいなと思っています。


06.20
Saturday
2009

Carraraの機能であるファーを用いてミレネコに毛を生やしてみました。リアルに見せるにはそれなりに工夫が必要だと思うのですが、必要な機能は一頻り揃っていて使いやすいなという感想を持ちました。詳細は方法はDAZのCarrara 6 & 7 Tutorials reference listで紹介されている方法を参考に、C6 FUR TUTORIALのリンク先にあるPdfファイルに従って操作を行いました。今回は白猫を製作してみました。テクスチャを適用してみると判るのですが、白猫だけはテクスチャがはっきりとせず、遠くにおいても違和感があるなと前々から感じていたことが理由です。操作して出来上がったミレネコをWorld Gardens Japan Bundleに配置した後、ファーストレンダを実施してみました。



あまりに酷いのでどうしようかと思ったのですが、以下のような方法で修正を行いました。
(1)円形脱毛症の修正
ファーはガイドヘアを制御することで、全体の毛の流れを制御しています。これをブラシツールで撫ぜつけて全体の毛の方向を決めるのですが、ブラシツールで毛を強く撫ぜすぎると毛先が本体内部に入ってしまって、その部分が円形脱毛症のようになっていまいます。Carraraは修正したいガイドヘアだけを選択してオレンジ色に反転させることで、効果を限定することができます。円形脱毛症中心のガイドだけを選択して効果を限定し、毛をリセットし再度ブラシで撫ぜつけて修正を行いました。同様な方法で効果範囲を限定し、髭の付近の毛や足の毛の長さを短くするなどの修正を行っています。



(2)黒い地肌の修正
ファーの間から黒い部分が見えているのですが、これはミレネコ本体です。ファーの影が本体に落ちて黒くなっているのだろうと思いました。ミレネコ本体にはFurという名前のマテリアルが適用されているので、これに発光(Glow)の数値を設定することとしました。今回は最終的にGlowの数値として5%を設定しました。耳の中や目も暗くなりすぎないようにGlowの数値を設定しています。

(3)毛の密度とマテリアル設定
背景に用いたWorld Gardens Japan Bundleはセット自体が小さいことが判りました。ミレネコを呼び出したままの大きさで配置すると背景とかなりギャップがあったので、ミレネコの大きさを74%程度に修正しました。この大きさではC6 FUR TUTORIALに記載されたいた毛の密度400000では毛で埋め尽くされていまうので、200000に変更しています。今回は白猫ということもあって、いろいろと検討した結果、毛の質感を以下のようにRoot Colorを薄い肌色、Tip Colorには白さを強調するために、テクスチャマップに青白い色をオーバーレイでブレンドするという設定としました。修正を行ったミレネコのレンダリング画像は、以下のようになりました。


「毛の質感の設定」


「ミレネコクローズアップ」

ミレネコをWorld Gardens Japan Bundleという日本庭園のプリセットに配置して作品を仕上げました。ライティングはRealistic skyに変更して光源を1つ追加しています。World Gardens Japanという本体に、World Gardens Japan Seasonsを追加することで、春と秋の景色を表現することができます。どちらも綺麗なのですが、今回は秋の風景を使ってみました。プリセットのままだとメモリーエラーでレンダリングが途中で止まってしまうので、今回は見えない部分を削除してからレンダリングしています。特に植生を削除するとメモリーの節約効果が大きいように思います。しかし、ミレネコをこの大きさとするのであれば、ファーを使用しなくとも、バンプとグローをマテリアルに追加するだけでも十分だったかもしれませんねぇ。


「風立ちぬ」(画像をクリックすると大きな画像が表示されます)

今週のつぶやき
6月はcarrara以外にもmodo302のトライアルバージョンをいじっていました。こちらのソフトにも401からファーの機能が付属するようです。それ以外にもビデオチュートリアルでマテリアルベイクト(高精度のポリゴンモデルのポリオゴンを削減して一部をマテリアルに焼き付ける方法)が紹介されており、興味を持ちました。購入を考えていたのですが、ぐずぐずしている内に401が販売されてしまいました。modo302ではGoogle sketchupのプラグインで直接skpファイルが読み込めたのですが、401ではcollida経由になりました。以前3DchayaさんのモデルにGoogle sketchupでマテリアルを設定したモデルを読み込んでみたところ、Vueではマテリアルがはがれてしまったのですが、mode302では正常に読み込めることが判りました。mode302を手に入れておけばよかったかなとちょとばかり後悔しています。


06.01
Monday
2009

Cornucopia3DでGeoControl2が販売されています。6月9日までは40%Offの$89です。以前レンダロのギャラリーで紹介されているのをみかけていいなと思ったこともあって、デモ版を試してみました。本家サイトはこちら。この本家サイトでデモ版のダウンロードやビデオチュートリアルも見ることができます。プリセットを読み込んで少し試してみただけなのですが、地形を製作するにはかなり強力なツールだなという印象を持ちました。GeoControl2の本家サイトで紹介されている操作方法を参考にGeoControl2で地形を製作し、Vueに地形持ち込んでみました。英語ですがこちらのサイトでも方法が紹介されています。ちなみに私は標準地形を使ったのですが、こちらのサイトでは直接生成地形を使用しています。

(1)GeoControl2の地形の書き出しとVueの設定方法
Generation>Terrain Export>TGA for Vue,Pov Rayを選択し、適当な名前をつけてTGAファイルを書き出します。


「GeoControl2操作画面」

次にVueを立ち上げて地形エディタを開き画像>読み込みをクリックして、書き出した画像を指定します。製作した地形をそのまま書き出したいときには合成モードを混合のまま比率を100%にします。ちなみに、100%以外の数値にした場合は、元の画像と指定した地形が混合したものとなります。このままでは解像度が足りないので、地形エディタの一番上の/2×2を押してGeoControl2のGeneration>General>Terrin Sizeと同程度の大きさにしてやります。下のサンプル画像はGeoControl2のTerrin Sizeは2048だったのですが、Vueでの負荷を考えて1024×1024の大きさとしました。


「Vue地形エディタ」


「GeoControl2で製作した地形にVueの質感レイヤーで質感を設定」

(2)GeoControl2のテクスチャの書き出しとVueの設定方法
GeoControl2で指定したテクスチャも書き出すことができます。ビデオチュートリアルに従って、地形にテクスチャを設定します。GeoControl2のほうがより複雑な指定ができるのですが、Vueの質感レイヤーの使い方に慣れている人は感覚的に同じようなものであることが判るかと思います。テクスチャはGeoControl2の2D画像がそのまま書き出されるので、View>Colouring>Use shaderを指定して2D画像に指定したshaderを適用します。このあたりは個人の好みになるかと思うのですが、下の画像はView>Relief>Fineに変更しました。この後、地形と同様にGeneration>Image Export/Colorを選択し適当な名前をつけてテクスチャを書き出します。後は質感エディタでカラー&アルファでカラーモードで画像を指定します。シーケンス全体を読み込みますかという警告がでるのですが、いいえを選択してください。GeoControl2のテクスチャを工夫することで、同様の手順でバンプ画像やアルファ画像も製作することが可能なはずです。


「GeoControl2で製作した地形にGeoControl2のテクスチャを適用」

まだ、試してはいないのですが、地形に応じた川や池の位置がシミュレーションできたり、地形の上に道も追加できるようで、使いこなせば思い通りの地形が製作できるかもしれないなと考えています。40%Offの6月9日まではまだ時間があるので、もう暫く試してみて購入するかどうかを考えたいなと思っています。今回はVueとの連携を検証したのですが、書き出しはTerragon、3Dmax、Carrara、Bryceにも対応しています。グレースケールでの書き出しやOBJ形式での書き出しもできるので、大抵の3Dソフトで使用することができるかと思います。試しに以下のような画像を製作してみました。GeoControl2のプリセットをそのまま用いたのですが、地形が簡単にできると製作も捗りますね。


「荒野の未来都市をイメージした画像」

今週のつぶやき
ご存知の方も多いと思うのですが、「グインサーガ」が未完の大作となってしまいました。本のほうは途中で挫折してしまったのですが、少なからず影響を受けた作品だったので、残念だなと思いました。ご冥福を祈りたいと思います。ちなみに、今年から始まったアニメは懐かしいなと思いながら、毎週みています。個人的にはオーバーすぎるアクションが好きにはなれないのですが、背景は綺麗だなと思いました。けれど、できれば3Dで再現されたグインの世界を見てみたかったなというのが正直な感想です。