03.11
Sunday
2012

和風展に作品を投稿してきました。題材としたのは与謝蕪村の「菜の花や月は東に日は西に」という俳句です。最初は一枚にしてつなげようと考えていたのですが、あまりにも横長で巻物みたいになってしまうこともあり2枚の画像として作成することにしました。風景作品ということもあり、今回はVue7infiniteを使用しました。作品の題名は「菜の花畑−入日ー」「菜の花畑−夕月ー」−童謡の「朧月夜」から拝借しました。今まで気が付かなかったのですが、今回製作してみて同じ風景を表現しているように感じました。ネットで検索してみると、「西と東の風景は同列ではなく、驚きの対象は実は月です」という解釈が掲載されていました。月のほうをもっと印象的に仕上げたかったのですが、入日のほうがインパクトのある作品になってしまいました。


「菜の花畑−入日ー」


「菜の花畑−夕月ー」

カメラの焦点距離を30mmにすると約60度の範囲をカバーしてくれます。単純計算なら2枚をつなければよいのですが、周辺付近は画像の歪みも大きくなるので、結局は30度ずつカメラを移動させながらレンダリングした4枚の画像を繋ぎ合わせて一枚の作品としました。一枚のレンダリングに要したのは約10時間。また、奥のほうの菜の花は動的配置を使用したのですが、ファイルを読み込む毎に配置が変化することもあって、しばらくPCを稼動させ続けました。環境には優しくない作品だったりします(^^;
 
前作でデジタル銀箔を使用したので、今回は金箔を使用し、できるだけシンプルな画面構成を採用して日本画風としてみました。デジタルでの製作なのであえて採用しなかったのですが、日本画でよく使用される金箔や鉱物系の顔料は混ぜ合わせることができないので、本来はグラデーションができないそうです。入日のほうは比較的簡単に製作できたのですが、夕月のほうは難産で没画像が山のようにできました。2枚の連続性から空のグラデーションや月に銀色を持ち込みたかったのですが、上手くはいきませんでした。結局、夕月は月がはっきりとわかる様、青色の風景として完成させることにしました。


「夕月(没画像)」

最近Vueでの作品製作にストレスを感じることが多いのですが、突き詰めていくとレンダリングだということに気が付きました。Vue9 completeでは、レンダリングの途中で停止を押してもレンダリングが完全に停止するまでに結構時間がかかります。製作ではテストレンダを繰り返すので、この現象は結構ストレスを感じます。Vue7infiniteやVue10infinite(PLE)を試してみたところ、このような現象が起こらなかったので今回はVue7infniteを使用しました。レンダリングには時間を要したのですが、昔ながらの作品制作の楽しさが戻ってきたように感じました。Vue6が現役という方もいるので、しばらくVue7infniteを使ってみようかなと考えています。

この作品で使ったデジタル金箔と銀箔なのですが、使い勝手今ひとつということもあり、一般配布は見合わせることにしました。ただ、どうしても欲しいという方はメールなどで送付先を連絡していただければ、個人的にお譲りさせて頂くという形にさせて頂こうと思います。ちなみに、このテクスチャ(一部)をPoserオブジェクトに適用し質感を調整すると、こんな感じとなります。モデルはsannziさんが配布されているblack leopardです。テクスチャとして使用したほうが質感がはっきりするのは、凹凸がないと色としての表現が難しいのだろうなと個人的には思いました。
「デジタル金箔のテクスチャを適用し、質感を調整」

「デジタル銀箔のテクスチャを適用し、質感を調整」

今日のつぶやき
(1)「晩春銀彩」について
前回のブログにコメントしてくれた方もいたのですが、前回紹介した「晩春銀彩」が、Digital Artist Contest 2012で銀賞を頂くことができました。この作品もそうなのですが、これまでとは違った作品制作を暗中模索している所だったので、受賞は正直嬉しかったです。IE9では私の作品のみが表示されないという不具合が当初あったことも含めて(現在は修正されています)、記憶に残る作品となりました。頂いた審査員のコメントが嬉しかったので、転載しておきます。
「デザインとして、非常にきれいにまとまっています。「行く春」の句よりも少し早い季節を想像させる色使いなのでイメージとしては少しギャップが生まれているような気もしますが、2D/3Dの枠にとらわれず、CGという概念を超越したデザインセンスを評価しました」

(2)上野の森美術館にて
以前私が製作した作品「夜桜と黒馬」を題材に製作されたプリザーブドフラワー作品が、東京上野の上野の森美術館で 2月23日−26日「日本の美術」に出展されました(入場無料)。私も24-25日に東京・横浜観光も兼ねて、私も見に行ってきました。製作者の浅見さんとお話させて頂き、短い時間ですが楽しいひと時をすごさせて頂きました。正直「銀狐(Ras)です」と面と向かって名乗るのは正直抵抗がありました。銀狐(Ras)はネットの住人なんだなと感じました。

事前に作品の写真を頂いていたのですが、実物のほうがより立体感が感じられるように思いました。自分の作品はデジタルでしか存在しないのですが、現実世界の作品に影響を与え、それが目の前にあるというのは不思議な感覚でした。ちなみに、この作品も賞を受賞されたとのことです。詳細はわからないのですが、入り口で気に入った作品を記入するアンケートを渡されたので、人気が高かったのだろうなと感じました。受賞した作品は、3月20日〜25日に銀座のクオリア画廊に飾られるそうです。(訂正:展示されるのは、銀座のジェイトリップアートギャラリーとの連絡がありました。)

(3)近況報告
和風展の出展作品も完成し、やっと一息というところです。2月発売予定との噂があったmodo601が3月になってついに販売されました。501からかなり機能が強化されたようで、ネットでも結構噂になっているようです。e-frontierでもほとんど日をおかずに、日本語版販売のアナウンスがあったことからも期待の大きさを感じさせます。Particle Cloudsが搭載されたようで、どこかで見たような動画が掲載されていました。私は401も十分に使いこなせていないのですが、統合型のソフトということもあり、バージョンアップを考えています。

Poser9/PoserPro2012が50%offセールを開催中です(3月16日まで)。私はPoser8をメインで使用しているのですが、Poserレンダも増えてきていることもあってこれを機会に、PoserPro2012にバージョンアップしてみようかなと考えています。ダウンロードしてきたまま放置しているDaz Studio 4 Proも和風展が終了したら本格的に試してみたいなと考えていたのですが、うーむどれから手をつけよう。Gimp2.8もそろそろとの噂がありますね。暫くは新しいソフトの習得に努めることになりそうです。